高い即効性と美肌効果で人気の炭酸パック。しかし、炭酸パックを使用した人の中には肌にピリピリとした痛みを感じる方もいるようです。今回は炭酸パックが痛みを感じる理由について取り上げます。
炭酸の微発泡が刺激になる
炭酸パックを使用することで痛みを感じる理由はいくつか考えられます。理由の一つ目は「炭酸の発泡による刺激」です。炭酸の泡については炭酸飲料をイメージすると分かりやすいでしょう。炭酸飲料は大量の二酸化炭素に強い気圧をかけ、水に溶かして作られます。ペットボトルの栓を開けると二酸化炭素(炭酸ガス)がいっせいに逃げていき、泡が発生します。炭酸パックは炭酸飲料と同様に、液体に溶けた二酸化炭素(炭酸ガス)の一部が泡となります。その炭酸の微発泡が肌の上でシュワシュワと弾けることで、ピリピリとした刺激や痛みとして感じるのではないかと考えられます。
ビタミンCなど酸による科学的な刺激
もう一つ考えられる痛みの理由は、炭酸の泡ではなく「酸による刺激」です。多くの炭酸パックには、ビタミンC(アスコルビン酸)やクエン酸などが美容成分として配合されています。ビタミンCもクエン酸も果物などの食べ物に含まれる成分ですから、基本的に肌への刺激の心配はほとんどなく、非常に安全性の高い成分です。しかし、配合量が多い場合や肌が敏感な状態の場合、刺激を感じるケースがまれにあります。特に炭酸ジェルパックには美容成分を効率よく肌に浸透させる作用があるため、パックに配合されるビタミンCやクエン酸などの酸が皮膚へ行き渡ることで刺激につながっていると考えられます。
炭酸のイオン化による刺激
3つ目に考えられる炭酸パックの痛みの理由は、「炭酸がイオン化することによる刺激」です。
私たちの身体の中には炭酸脱水酵素という酵素が存在します。この炭酸脱水酵素は炭酸ガスを炭酸に変化させる働きを持ちます。炭酸パックを肌にのせると、炭酸ガス(二酸化炭素)が肌に浸透します。炭酸ガスが炭酸脱水酵素の働きによって炭酸に変化し、その炭酸がイオン化すると、それが刺激となってピリピリと感じるのです。
炭酸パックの痛みは問題ないの?
炭酸パック中、軽くピリピリと感じる場合は、炭酸の微発泡や酸、イオン化した炭酸による刺激でしょう。大抵の場合、パックを肌に塗布してから1分程度で痛みは治まります。しかし、炭酸パックを使用し、我慢できないほどの痛みを感じる場合は直ぐに使用を中止しましょう。また敏感肌で肌トラブルが心配な方はパッチテストを行い問題がないか事前に確認をしましょう。心配な方はお医者さんに相談してから使用することをお勧めします。
さいごに
「炭酸パックを試してみたけど、痛かった!」という方は不安を感じたことでしょう。皮膚への軽いピリピリ感は、炭酸のはじける微発泡や美容成分の酸、あるいは皮膚に浸透しイオン化した炭酸による刺激が原因だと考えられています。炭酸パックに慣れてくると、その刺激感がクセになる方も多いようです。しかし、刺激が強いからといって炭酸の効果が高いという根拠はありません。使用感が自分好みの炭酸パックを上手に選ぶことをお勧めします。
※内容成分とのアレルギー等の反応による刺激感の場合もありますので、長時間ピリピリが続いたり、赤味やかゆみ等が引かない場合は速やかに最寄りの皮膚科医へ相談しにいきましょう。