以前の常識からすると、「炭酸飲料」はスポーツにはよくない飲み物と思われていました。現在はその効果が見直され、積極的に炭酸を摂取するスポーツ選手もいます。今回は炭酸飲料とスポーツの関係について紹介したいと思います。
炭酸は悪い飲み物なのか?!
炭酸飲料には主にサイダーやコーラのような糖分のたくさん入った甘いもののイメージが大きいため、どうしてもスポーツとは相容れない印象があります。かつては「飲んだら骨が溶ける!」、などと言われていた時代もありました。(これは、サイダーとか炭酸が好きな子供が怖くて飲みたくなくなるように仕向ける親の作戦ですが、糖分の入った炭酸飲料の取りすぎには気をつけましょうね。)しかし、現在炭酸はさまざまな形で積極的に活用されています。
サッカーイタリア代表チームと炭酸飲料
サッカーのイタリア代表チームには、チーム公認の「炭酸飲料」というものもあります。もちろん、ここでいう「炭酸飲料」は甘いジュースの類ではなくミネラル分をふんだんに含んだ炭酸水のことです。
硬度もあまり高くないので、飲みやすい炭酸水です。気軽にイタリア代表気分になれちゃいますね!
疲労回復のメカニズム
スポーツ後に炭酸飲料を摂取することで、炭酸ガスの成分が疲労の原因である「乳酸」を老廃物と一緒に体外に排出させる働きがあります。また、疲労回復とともに炭酸の摂取により血行がよくなり、内臓の動きが活発化し、新陳代謝を促進する効果もあります。
最近のスポーツにおける炭酸の活用は「炭酸の吸収から身体代謝の促進」というシステムに目をつけたものといえます。
炭酸泉で疲労回復とリラックス
人間は酸素を吸って二酸化炭素(炭酸)を排出しています。炭酸水を経口で、あるいは皮膚から摂取することは、意図的に多くの炭酸を体内に入れることになります。そうすることで体内において、炭酸と酸素の比率が変わり、より多くの酸素を取り入れるべく血行がよくなります。ケガのリハビリに取り入れられているのはよく知られていることですが、温かい炭酸泉に長くつかることにより、血行が良くなり心拍数を下げてリラックスできるという面でも疲労回復の助けになっています。最近ではこの点に着目し、炭酸浴を取り入れているスポーツ選手・団体も多くなってきました。
炭酸パックと炭酸泉のメカニズム
このメカニズムは、皮膚から炭酸を摂取する「炭酸パック」とも基本的には同様のものです。皮膚からの吸収効率をより高めるために開発されたものが炭酸パックだといってよいでしょう。スポーツ後の炭酸摂取は疲労の回復を求めて、そして美容目的の炭酸パックは肌の新陳代謝の促進の効果を求めて、それぞれ体内の炭酸量を増加させるというわけです。
さいごに
少し前までは「炭酸」と「スポーツ」の結びつきはそれほど強くはありませんでした。しかし今ではその効果が解明され、世界中で注目されています。今後、どのような発見があるのか楽しみです。みなさんもスポーツの後に炭酸を取り入れて、アスリート気分を味わってみてはいかがでしょうか?