私たち人間が呼吸をして酸素を体内に取り込まないと生きていけないのと同じように細胞が活動を行うためには酸素が欠かせません。
酸素を取り込むことで細胞内の「ミトコンドリア」という器官でエネルギーがつくられ、そのエネルギーが活動源となるのです。酸素が減ると、ミトコンドリア内でのエネルギー生産の効率が下がり、疲労感やだるさ、集中力の低下などさまざまな症状が引き起こされます。
元気の源を生産するミトコンドリアを活性化する救世主として注目したいのが、ここではおなじみの「炭酸」なのです。炭酸のミトコンドリアへの働きについて掘り下げていきましょう。
ミトコンドリアとは何か
まずはミトコンドリアとは何かについて説明しましょう。私たち人間の体は、約60兆個もの細胞で構成されていますひとつひとつの細胞には、核、ゴルジ体、細胞膜といった、細胞自身が活動するためのさまざまな器官や組織があります。ミトコンドリアはまさにそのひとつにあたる小器官で、ひとつの細胞に約200~100個あるといわれています。またミトコンドリアは細胞の中にありながらも細胞とは別に独自のDNAを持っている、とても特殊な器官でもあります。
ミトコンドリアが多いほど若々しい
ミトコンドリアが多い動物の代表が「鳥」です。鳥の寿命は非常に長く、大型のオウムで70~80年といわれるほどで、小さくても人間に匹敵するほど長生きします。鳥にミトコンドリアが多い理由は解明されていませんが、祖先が恐竜であったことが関係していると考えられています。鳥は一部の特殊な種類を除き、空を飛ぶことができます。つまり飛び続けるだけの大きなエネルギーをつくれるのは、ミトコンドリアが多いからだと言えます。マグロなどの大規模な回遊を行う魚にもミトコンドリアが多く、泳ぎ続けられる豊富なエネルギーがつくられていることがよく分かります。
酸素を使ってエネルギーをつくる
私たちの活動源となるエネルギーはミトコンドリアという器官でどのようにつくられるのでしょうか。私たちが食事で摂ったものがエネルギーの原料になることは容易に想像できます。口から入った食べ物は酵素で分解されます。例えば代表的な栄養素である炭水化物、タンパク質、脂質はそれぞれブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸に分解されます。その後さらにアセチル-CoA(アセチルコエンザイムエー)という物質がつくられ体内に吸収される形になり、ミトコンドリアの内膜の内側にある、マトリックスと呼ばれる部分へと運ばれます。
マトリックスの中には、TCA回路(tricarboxylic acid cycle)というエネルギーを生み出すための仕組みがあり、そこに入った物質からは一連の反応を経て、水素イオンと電子が発生します。
これらが「電子伝達系(呼吸系)」というプロセスに入り、この電子が持つエネルギーに酸素が加わることで二酸化炭素と水を排出しながら、APT(アデノシン三リン酸)という人間が活動するために使われるエネルギーが合成されるのです。
難解に感じる上記のエネルギーの生成プロセスですが、一言でいうとミトコンドリアは「酸素を使ってエネルギーを作る器官」なのです。
(日置正人、炭酸美肌術、幻冬舎、2011年、P38-43参照)
炭酸で酸素をチャージしてエネルギッシュに!
酸素不足になると、ミトコンドリアの機能が低下し、場合によってはミトコンドリアが死滅してしまうこともあります。酸素不足は健康・美容においても、さまざまなマイナス面がもたらされるのです。
繰り返しになりますが、エネルギーを作るにはミトコンドリアに酸素が行き届くことが条件です。そこで救世主となるのが炭酸です。炭酸には、血行を促進し細胞内に供給する酸素量を増やす働きがあります。
詳しくはこちら
炭酸博士の研究室>炭酸の作用と効果について
炭酸は細胞に酸素を取り込み、ミトコンドリアを元気にすることができる心強い存在です。効率的に炭酸を取り入れ細胞を酸素で満たすことが、エネルギー溢れる毎日につながります。