医療の現場から生まれた、炭酸パックの誕生ストーリー

カテゴリー: 炭酸パック・スキンケア

現在炭酸パックはエステサロンやクリニックの施術で、またはご自宅でのフェイスケアパックとして使われるようになり身近なものになりました。

この炭酸パックですが、もともと医療目的で臨床医によって開発された商品だったということをご存知でしょうか?

床ずれの治療薬開発に着目した炭酸の効果

炭酸パックがこの世の中に生まれた背景には炭酸パックがこの世の中に生まれた背景には、治療に励む一人の医師の熱意によって発見された偶然が存在します。

今から約15年前、臨床医である日置正人医学博士は床ずれで苦しむ患者さんのために、もっと良い治療法・治療薬はないかと考えていました。

床ずれ患者が多い介護の現場を訪れたり、医療関係の文献を調べるうちに、皮膚の創傷には炭酸治療が効果的だということにたどり着きました。

床ずれとは:tokozure_nurse

床ずれは褥瘡(じょくそう)、褥瘡性潰瘍、圧迫潰瘍とも呼ばれ、圧迫により皮膚に血液が十分に流れなくなり、その部分が損傷を受けた状態のことをいいます。

欧米で古くから使われる炭酸泉

床ずれ患者が多い介護の現場を訪れたり、医療関係の文献を調べるうちに、皮膚の創傷には炭酸治療が効果的だということにたどり着きました。

ドイツを始めとする欧州諸国では、天然の炭酸泉が多く古くから身近な療養や美容の手段として使われおり、炭酸泉の働きを利用した様々な研究や治療がさかんに行われています。

炭酸ガスには血管拡張作用、DDS作用(経皮吸収システム)、酸素供給作用(ボーア効果)があります。これにより新陳代謝が活発になり、人間本来の自然治癒力が蘇るのです。

炭酸の効能をより効果的に得る方法

日置博士も、患者さんの床ずれのケアに炭酸ガス入りの入浴剤を溶かした水溶液などを使用していました。

しかし、液体は患部に塗布することが困難です。塗布できてもその水溶液中の炭酸ガス濃度はほんのわずかです。日置博士はより効果的に炭酸の効能を得る方法を模索し、ついに高濃度で炭酸ガスを閉じ込める方法を発見しました。

それはジェル状のものに炭酸ガスを閉じ込める、という方法でした。粘度のあるジェルを用いることで、より高濃度の炭酸を閉じ込めることに成功したのです。

このように、日置博士は炭酸治療を応用し、炭酸ガスを効率的に患部に使用できるジェル状の物質を開発しました。

偶然発見された炭酸の美容効果

開発を始めて数か月後、日置博士が自宅の鏡で自分の顔を見ると、あることに気が付きました。

博士の右の頬だけが妙につやがあり、引き締まっていたのです。

博士は使用感を自分で確かめるために片方の頬だけにジェルを塗っていたのです。

そこで、さらに手や顔で試しているうちに、小顔・リフトUPなどの効果を実感し、美容商材を開発することになったのです。

こうして明らかになった美容効果を持って、化粧品として初めて炭酸パックが世に出ました。

広がる炭酸パックの可能性

現在では、美容分野のみならず、炭酸パックと同じく炭酸ガスを封入したジェルを重度のアトピー性皮膚炎や難治療性皮膚病の患者さんに使用するなど、医療分野においても研究が進められています。

炭酸パックは、人間が本来持っている自然治癒のしくみを巧みに応用したもので、将来医薬品として新たに生まれ変わるのではないかと期待されています。

 

日置正人医学博士

日置正人医学博士

日置クリニック 院長

アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、美容などの幅広い活動を行っている。
また、炭酸パックの発明者でもあり、国内外で特許を取得。
世界に日本初の炭酸美容法を普及させることを目指している。